どうも。大河内薫(@k_art_u)です。
突然ですが、今年1件、来年2件と、
納税管理人業務が舞い込んできました。(ひさびさ~)
納税管理人とは!?
海外に拠点があるけど日本の税務申告義務がある人は自分では申告ができなくなるので、
自分の代わりに「税まわりの管理」をしてくれる人を選定しなくてはいけない。
その選定された人が、”納税管理人”
久々に納税管理人をやるので、その観点で所得税と対話をしてみようと思います^^
所得税法でいう居住者と非居住者
日本の現行の所得税法では、
・「居住者」とは、国内に「住所」を有し、又は、現在まで引き続き1年以上「居所」を有する個人のこと
・「非居住者」とは「居住者」以外の個人のこと
ここでいう「住所や居所」は、「個人の生活の本拠」をいう。
生活の本拠かどうかは、「客観的事実」によって判定することになっている。
つまり、生活の拠点が日本にあれば、そもそも納税管理人を選定する必要もない。
その時は居住者として、全世界所得に対して日本の所得税が課税される。※
※居住者のうちほとんどがこのケースですが、非永住者である居住者については課税関係が変わります。(非永住者≠非居住者。注意!)これについては、また今度書きます。
生活拠点の判定は重要
生活の拠点の判定で、居住者か非居住者かが分かれるし、
しかもその判定で課税関係と税の管理方法が大きく変わります。(あくまで日本の税金)
●居住者
課税対象:全世界所得
納税管理人:不要
●非居住者
課税対象:日本国内において生じた所得(国内源泉所得)に限って課税
納税管理人:必要
・・・判定を間違えると、結論が全く変わってしまう。
海外にしか住む場所がない人は大丈夫だけど、
日本と海外に住む場所がある人は要注意。
日本としては少しでも税収を高めたいから、税務署は納税者を税務上の居住者にしたがるので、
客観的事実はしっかり持っておきましょう。
判断に迷ったら聞いてください。
海外在住の不動産オーナー
今回のクライアントのケースはこれ。
もともと不動産オーナーで、海外に住所が変わる方。
完全引っ越し予定&日本にはしばらく帰ってこないので、
生活拠点の判定は迷わなくて済むので安心です。
・日本の所得税が増加
・エアビー(airbnb)などの影響で、個人の不動産オーナー増加
→この流れで、稼いだ人の海外流出も増加傾向かもしれないね。
ということは、納税管理人業務も増加傾向かな。
居住者判定がわかりやすい納税管理人なら、ウェルカムです。
不動産個人オーナーが海外在住の場合、賃借料を支払う法人は注意
※2017年6月4日追記
物件を借りている法人は、不動産オーナーに賃借料を支払います。(当たり前ですが)
ただし、個人のオーナーが気づいたら海外移住してたなんてときは注意が必要です。
海外在住の個人オーナーに賃借料を支払う場合は、
源泉徴収(20.42%)が必要
これって、知らないと税務調査まで絶対に気づきません。
源泉徴収の義務も、徴収した所得税の納付義務も、
全て法人側にリスクがあるので悲しいものです。
立法趣旨としては、、、
海外にいるオーナーって悪気なく確定申告しないケースって多いです。
ですから、国税局としては取りっぱぐれがないように、多めに所得税を徴収する。
その大役を”賃料を支払う法人”に任せるってわけです。
海外在住の不動産オーナーも、税金を多く徴収されていれば、
取り戻すために確定申告をしようとしますし(前述してますがこのとき納税管理人が申告します)、
もししなかったとしたら、国税局が潤うってわけです。
ちょっと乱暴な話ですね。
国外財産調書
●国外財産調書
日本国外の財産が5,000万円を超える場合は、税務署に財産調書の提出が必要。
→その対象者はあくまでも、”居住者” (非永住者を除く)
つまり、海外在住の日本物件の不動産オーナーの場合は、
国外財産調書については考慮不要です。
一連の脳みそのブラッシュアップで、
恥ずかしながら国外財産調書の対象者があいまいになっていたので。
一応念のために( ..)φメモメモ
さて、それなりにまとまったので、
明日のクライアント(不動産オーナー)との面談に備えます!
最後までお読みいただきありがとうございました!